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『エル・カザド』(EL CAZADOR DE LA BRUJA)はテレビ東京で2007年4月2日深夜25時30分より放送されているテレビアニメ。また、CS局のAT-Xでも2007年6月7日より放送中。
概要
本作は、『NOIR』『MADLAX』に続く真下耕一監督の美少女ガンアクション三部作最終作とされている。しかし、これらはそれぞれに連続性があるわけでもなければ、世界観を共有しているわけでもない。また、この二作に比べると、明るい作風が特徴的である。
NOIR・MADLAXで主要なキャラクターを演じた久川綾が今作でも主要なキャラクターで登場するほか、NOIR・MADLAXで主要なキャラクターを演じた声優の多くがゲストキャラクターとして登場している。
なお、「エル・カザド」とは、スペイン語で「(男性の)狩人」の意味。副題の「EL CAZADOR DE LA BRUJA」は、スペイン語で「魔女の狩人(男性)」という意味になる。 また、一般にスペイン語で「Z」は、英語のように「ザ」行で発音せずに、英語のthに近い「サ」行で発音する。 よって、「エル・カザド」という日本語の"当て字"は、厳密には「エル・カサド」とするのが正しい(なぜ「カザド」という誤った表現が用いられているのかについては不明)。
ストーリー
物理学者ハインツ・シュナイダー殺害の容疑者エリスには、何故か裏社会で巨額の賞金が懸けられており、数多くの賞金稼ぎ達が彼女の行方を追い求めていた。女賞金稼ぎのナディもその一人である。ナディはメキシコの田舎町で遂にエリスを見つけるが、エリスにとぼけられた上、エリスの驚異的な身体能力を目の当たりにする。
エリスに逃げられたナディはエリスを匿っていた占い師のサルマに接触するが、逆に彼女からエリスを託されてしまう。サルマの願いを断り切れなかったナディはエリスを他の賞金稼ぎから庇うと、エリスが行きたがっていた南へ彼女を連れて行く代わりに、目的が済んだらナディの言うことを聞くという条件で、エリスとの逃避行を始める。
その頃、中央情報局「R-339」室では、室長のダグラス・ローゼンバーグが、「プロジェクト・リヴァイアサン」という謎の言葉を呟きながら、エリスの情報を集めていた。そして、そんなローゼンバーグを同じ中央情報局のジョディ “ブルーアイズ” ヘイワードが密かに監視する。一方ナディは、その“ブルーアイズ”と密かに連絡を取る…。
ローゼンバーグの言う、「プロジェクト・リヴァイアサン」とは? そして、エリスを取り巻く人間達の思惑とは…?
メインキャラクター
エリス(Ellis)
声:清水愛
“魔女”のDNAをもとに人の手によって創られた存在。ハインツ・シュナイダー殺害の容疑者で、巨額の賞金が懸けられている色白の美少女。事件に関する記憶の一部を失っており、自身の名前も思い出せない。また、事件当時は髪は長かったが、現在では短い。性格は純粋無垢で、少々小悪魔的。感情を表には出さないが、ナディと旅をするようになってからは、徐々に感情を表に出しつつある。河に流される蜥蜴を救う、大切な者に対しては被害を巻き込ませないなど、根は優しい性格である。視力や身体能力は飛び抜けており、自然界における分子運動を恣意的に制御する能力を有している。好きなものは甘いもの、嫌いなものは酔っ払い。ハインツ・シュナイダー博士とは、実験者と被験者の関係から、恋人のような親娘のような関係になっていた。
ナディ(Nadie)
声:伊藤静
女賞金稼ぎ。小麦色の肌をした美少女。陽気で、お人良しな性格。辛すぎる食べ物が苦手。楽天家だが、故郷を何者かに襲撃され、自分以外の人間を殺されたという悲しい過去を持つ。ブルーアイズとの契約に基づいてエリスを護衛しつつ、一緒に旅を続けていた。しかし、旅を続けていくうちにエリスとの絆が強くなり、「エリスを引き渡すように」というブルーアイズの命令と礼金の受け取りを拒否して、エリスと一緒にいる決意をした。エリスの出生の秘密を知った後も、エリスに偏見を持たず、エリスを受け入れた。ポンチョのようなものを身に着けているが、その下では肌を露出している部分が多い。銃の腕はかなりのもので、1対複数でも圧倒的な強さを見せつける。お金持ちになることが夢。古びたコルト・ガバメントを使用。
ちなみに、『NOIR』や『MADLAX』でガンアクションを担当したミレイユやマドラックスはそれなりにバストが豊かだったことでもファンの注目を集めたが、本作でその役割にあるナディは二人とは違い、徹底した貧乳にデザインされている。
ジョディ “ブルーアイズ” ヘイワード
声:久川綾
中央情報局会計監査課のOL。普段はおっとりした普通のOLを演じているが、ナディにエリスを護衛させたり、ローゼンバーグの動きを監視したり、独自の動きをみせる。目的はどうやら「プロジェクト・リヴァイアサン」の解体のようだ。ナレーター的な役割も果たしており、番組中に彼女の意味深なセリフが何度か流れる。
眼鏡を外し、髪をおろすと、通常とは全く異なった外見になる。
ダグラス・ローゼンバーグ
声:三宅健太
中央情報局「R-339」室長。かつてプロジェクト・リヴァイアサンに携わり、プロジェクト中止後、その残務処理を担当する「R-339」室の室長をつとめていた。しかし、プロジェクトの遂行にあくまでも固執し、リトゲン上院議員をスポンサーにして、プロジェクトを密かに再開していた。リトゲンが連邦捜査局に逮捕されたことで、中央情報局上層部の知るところとなり、休職を命じられる。
シュナイダー存命中は、シュナイダーにエリスの観察と調査を指示し、研究の進展具合を監督するため、たびたびシュナイダーの家に顔を出していた。その際、エリスの能力が顕現するよう工作したりしている。また、シュナイダーがエリスに愛情を持つようになっていることを見抜いていた。
L・A(エルエー)
声:宮野真守
ローゼンバーグがエリスの行方を追わせるために放ったエージェント。エリスと同じように“魔女”の遺伝子をもとに人間によってつくられた存在。ただし、男なので魔女としての能力はない。
エリスの不思議な能力に関する映像をローゼンバーグに送ることを任務としていたが、エリスへの執着心が異常に強く、勝手な振る舞いが多くなっていったため、一時的に召還された。エリスへの思いを断ち切るようローゼンバーグに再教育されたが、エリスへの思いを捨てられず、再教育の現場から逃亡する。
酔客にからかわれた際、激昂してその場にいた人間を惨殺するなど、精神状態はかなり不安定。武器はピアノ線。寝ているエリスの髪の毛をかってに切り、それを常時お守りのように持ち歩いている。:肝心のエリスからはひどく嫌われているが、エリスの怒りも自分に都合良く解釈し、まったく気にしていない。
ハインツ・シュナイダー
声:三木眞一郎
エリスに殺害されたとされている物理学者。エリスの長期に渡る研究や観察をローゼンバーグにより一任されていた。当初はエリスを検体としてしか見ておらず、反社会的な孤高の学者だったが、エリスと暮らすうちに徐々に人間らしい愛情に目覚めていき、最後にはエリスの愛を受けとめ彼女と共に逃亡することを決意する。しかしその矢先、エリスではない何者かに殺害された。
リカルド
声:立木文彦
ローゼンバーグに雇われた賞金稼ぎ。ローゼンバーグの指示に従って、リリオと共に旅を続け、密かにナディたちを援護していた。しかし、ローゼンバーグが休職処分になったことで、ローゼンバーグとの契約は事実上、無効となった。L・Aとほぼ互角の高い戦闘能力を誇る。リリオのことを大変可愛がっており、リリオが病気の時には、ローゼンバーグの出動要請を拒否するほどである。
リリオ
声:井上麻里奈
リカルドが連れている女の子。リカルドの実の娘ではないらしいが、リカルドに対する信頼は絶大である。また、エリスやナディにも何故か懐いている。辛いものが苦手。
Bレディ1号
声:岡本麻弥
ブルーアイズの上位に存在する機関のエージェント。現地でのブルーアイズの秘書的存在であり、ブルーアイズに状況を説明したり、ナディたちの動きを監視したりする。ショートヘア。
メリッサ
声:豊口めぐみ
ローゼンバーグの恋人。ローゼンバーグの休職後、ローゼンバーグのそばに寄り添う。
GUEST / SPECIAL GUEST
エンディングでのメインキャラクターの配役は「声の出演」、ゲストキャラクターの配役は「GUEST」、大物声優が演じるゲストキャラクターの配役は「SPECIAL GUEST」として表示される。それらを全て紹介すると煩雑になるので、本項ではストーリーの展開上重要な役割を担っている、または複数回に渡って登場した「GUEST」「SPECIAL GUEST」のみ紹介する。
サルマ
声:麻生美代子
占い師の老婆。エリスを匿っていたが、エリスに追手が迫っていることを知り、ナディにエリスを託す。死ぬ間際にエリスに再会出来たことを喜んでいたことから、実の孫のようにエリスを可愛がっていたと思われる。エリスにインカローズの原石を渡すと、ウイニャイマルカ(永遠の場所)に向かうよう言い残し、この世を去った。
フェルナンド
声:梅津秀行
賞金稼ぎ。サルマの家を襲ってエリスを誘き出したが、ナディに撃退される。その後もエリスの後を追い拉致しようとするが、エリスを救おうとしたフリーダ(第2話のゲストキャラクター)に射殺された。
オカマA・B
声:神谷浩史・岩永哲哉
オカマの賞金稼ぎ2人組。エリスを追ってメキシコの田舎町にやって来たが、ナディにジープを奪われ、その落とし前を着けるべくナディを執拗に追う。登場する度に警察官に職務質問されたり、L・Aに邪魔されたりする不憫なキャラである上、ナディ達を車で追っていた時にナディの銃弾でハンドル操作を誤り、呆気無い最期を遂げた。
議長
声:三石琴乃
ブルーアイズの上位に存在する機関で、会議の議長を務める女。エリスに危害を加えることに反対し、ローゼンバーグの動きをしばらく静観することを主張し、議論をその方向へ誘導する。
ローゼンバーグの休職後は、エリスがウイニャィマルカにたどり着くのを怖れ、ブルーアイズにエリスの身柄を確保するよう命じる。
過激派代表
声:恒松あゆみ
ブルーアイズの上位に存在する機関で、エリスの殺害を主張する女。会議における議論が自分たちが望む方向に向かわないことを確認しても、あくまでもエリスを抹殺するべく謎の集団を差し向ける。
ハンス・リトゲン
声:篠原大作
上院議員。ローゼンバーグのスポンサーとなり、プロジェクト・リヴァイアサンを支援していたが、連邦捜査局に防衛関連企業や中央情報局との癒着を摘発され、逮捕される。
ウェブスター
声:堀勝之祐
中央情報局幹部。リトゲンの逮捕によって、ローゼンバーグの独断専行を知るが、中央情報局がかつてプロジェクト・リヴァイアサンにかかわっていたことが知られるのを怖れ、ローゼンバーグの罪を見逃し、休職処分にとどめる。
用語
アミーゴ・タコス
タコスの有名チェーン。ナディはこの店の宣伝用の歌をよく口ずさみ、店員の制服も持っているので、かつて働いていた可能性がある。エリスは最初、この歌を嫌っていたが、その後気に入ったのか、自ら口ずさむようになった。なお、店員の制服はグラマーな体型に合わせて作られており、ナディやエリスが着てもあまり似合わない。
第16話では、エリスとナディが実際にこの店の店員として働いた。
作中で歌われている宣伝用の歌を作詞・作曲したのは、シリーズ構成の金巻兼一(ネットラジオ第8回配信分より)。
いえっさ
何かを指示された時、返事の挨拶としてエリスが使う言葉。“Yes, sir.”からきていると思われるが、エリスは女性に対して返事をするときもこの言葉を使う。
インカローズ
エリスが常に携えている、真紅に輝く宝石(一般的にはロードクロサイト、学術的には菱マンガン鉱と呼ばれる)の原石。オープニングにも登場している。“永遠の場所”にまつわる重要なモノらしい。
ウイニャイマルカ
永遠の場所と呼ばれている。ナディ達の目的地。
銀の十字架
その名の通り、輝かしい銀色で光を放っている十字架。約400年前に隠されたが、その後の度重なる採掘により何本も坑道が掘られてしまい、地図と完全に合致する場所が無くなってしまった。
プロジェクト・リヴァイアサン
“魔女”と呼ばれる超能力者の遺伝子をもとに人工的に魔女を作り出し、その能力を国益に役立てようと言う計画。“予期せぬ事故”により中止された。プロジェクトに投じられた予算の莫大さや非人道的な実験の存在を国民に知られることを政府は恐れており、現在でもその存在は公にされていない。ローゼンバーグはリトゲン上院議員をスポンサーにプロジェクトの再開を画策したが、リトゲンの逮捕によってその野望は一旦潰えた。
夜の掟
夜は魔女の自由時間であるとして、ブルーアイスや議長が所属する組織の構成員も夜の間だけは会議の議決に拘束されず、自由に行動してよいという決まり。組織の決定では、エリスに危害を加えないことが議決されているが、過激派は夜の掟をたてにエリスを夜の間だけ、襲撃している。夜が明ければ、夜の掟は効力を失うので、ナディやブルーアイズたちは夜の間だけ、エリスの安全を確保すればよいことになる。
スタッフ
企画 - 佐々木史朗、板橋徹
アソシエイトプロデューサー - 小松茂明、古瀬和也
プロデューサー - 北山茂、青木真美子
シリーズ構成 - 金巻兼一
キャラクターデザイン - 菊地洋子
メカデザイン - 肥塚正史、寺岡賢司
コンセプトデザイン - 門智昭
美術監督 - 海野よしみ
色彩設計 - 小島真喜子
特殊効果 - 村上正博
撮影監督 - 五十嵐慎一
音響監督 - なかのとおる
音楽 - 梶浦由記
音楽プロデューサー - 野崎圭一
音楽制作 - ビクターエンタテインメント
監督 - 真下耕一
制作 - ビィートレイン
製作 - Project Leviathan
主題歌
オープニング『光の行方』
歌 - savage genius、作詞 - ああ、作曲 - Takumi、編曲 - 梶浦由記
エンディング『romanesque』
歌 - FictionJunction YUUKA、作詞・作曲・編曲 - 梶浦由記
※エンディングテーマ『romanesque』は、2007年2月9日に大阪で開催されたライブにて初披露された。
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